昨年3月、見ず知らずの方から突然、下記のようなうれしいメールをいただきました。そのころの私は自分の楽しみと老化予防のためもあって、社会人の英語好きな人たちに月1回の「ハイパー英語講座」というのはやっていました。しかし、主たる関心は「英語を教える」ということよりも他のことに移っていました。ところが、その後に親しい人たちから「やさしい英語を教えて欲しい」と要望があって「月1回なら」ということで、もう1つの「月1英語講座」が始まりました。それがなかなか好評で、場所を変えてさらにいくつかの「月1講座」をやることになってしまいました。「10人を超えないこと」も原則にしているからです。4~5人の希望者があれば、事情が許す限りスピード・リーディング法の普及に出かけることにしています。ただし、交通費で足が出ないくらいの実費はいただいています。

 『英語スピード・ライティング教本』(大修館)は私の英語教師としての卒業論文のようなものです。「従来の学校の英語教育法」が必ずしも間違っていたとは思っていませんが私なりの批判もあっての出版でした。でも現在の英語教科書や授業のやり方にも賛成しているわけでもありません。音声は大切にしていますが、「英会話は教えせん」が私のモットーでもあります。今も、上記の本で紹介した方法はかなり効果的な学習法だと思っていますので、基本的にはそのやり方は変わっていません。しかし、教材はその都度、用意しています。「学び直し」と言っても、そのレベルは様々。「楽しく学び直す」と同時にそれなりに「使える英語」を身につけて欲しいと思っています。そこで、私の真剣さもだんだん増して来て、気がついたらもう一度「英語教育道」を真剣に歩み始めていました。

 退職して10年ほどは縁あって思ってもいなかった「自然保全」に深く関わって来ました。それは今後も継続したいと思っていますが、今度はまた「英語教育」を更に追究してみようと決心しました。

 「月1回」といえど、それぞれに別の教材を用意しますので、必然的にスピード・リーディングの教材が蓄積されつつあります。どうやらもう少しすると下記の名古屋の方の要望に応えられる日も遠くなさそうです。その途中報告のつもりでこんなページを作ってみました。「英語の学び直し方」や資料も紹介して行きたいと思っています。


(固有名詞のところ、あるいは住所などは空白にしています。いただいた方の名前も頭文字だけにしてあります)


拝啓、   先生

 

 突然、メールを差し出す失礼をお許し下さい。私は、愛知県に住む64歳の男性です。もう一度英語を勉強しようと思い、只今奮闘中の者です(独学です)。受験時代はそれなりに英語は得意だったのですが、先生もご存知のように、私たちの時代は音による教育がなかったものですから、今の私の英語は使い物になりません。やはり言葉は「音」だということで、その勉強方法を模索中です。

今は英語の学習サイトが花ざかりですね。その中で人気があるのが、音読パッケージとか速読トレーニングとかで、学習の中心は音読です。私もそれに沿ってしばらくやってみましたが、なんか違うのではないかと感じていました。というのも、音読のスピードが140/分位のゆっくりしたものばかりで、何度も音読するのは飽きてきますし、どの時点でそのトレーニングを終えたらいいのかが、よくわからないのです。

試行錯誤の末に、可能な限り速く音読するのはどうだろうかと思い立ちました。名付けて「最高速音読トレーニング」です。

1:初見の易しい(センター試験レベルでCD付き)英文を最高速度で音読して、その語数/分を計ります。

2:測定速度よりも速くCDを再生して(ウオークマンだと、再生速度が可変)5回オーバーラッピングで音読。口と舌がCDについていけないことがよくあります^^

3:その後、5回づつ音読と口唇読を交互に行い、タイムを計りその日の平均値を記入。300語程度ですと、ここまでで約1時間です。口唇読を交互に入れているのは、CDはかけっぱなしなので音読ばかりですと、かなりしんどいからです^^

4:10日ほどおいて(たまたま使ったテキストが全10課でした)1~3を繰り返します。

 

180/分程度できちんと音読が出来て、160/分程度でシャドーイングが出来ればその課は完了としました。本当は200/分くらいで読みたいのですが、今の私の力ではちょっときついのです。ちなみに、先生のサイトのガラパゴス島の文は25秒でした。しかも数字は日本語読みで^^ 200/分を実現するために同じ文で長時間続けるよりも、違う文に進んだほうがよいのかなと思いました。

この方法はまだ1ヶ月くらいしかやっていませんが、分かったことが2~3あります。最高速音読だと、自分にあった負荷がかけられるので、非常に簡単な英文でも飽きない。速く読むことで、リスニング力が向上した(気がする)。2日やらないと口が動かなくなる。音読と口唇読の速さの違いは1.11.2倍程度、口唇読が速い。黙読だと1.3~1.4倍位でしょうか。

 

英語に関しては全くの素人なので、こんな学習方法で良いのかなと不安に思いながら、学習サイトを漁っていましたら、ありました!! それが、  先生のスピードリーディングです。やっぱりこれだと勇気づけられました。失礼ながら、  先生のことはこの時初めて知りました。

 

ずいぶん前置きが長くなってしまいましたが、今日メールさせて頂きましたのは、先生のスピードリーディング法に私は全く同感しまして、これはもっともっと普及させるべきだと思ったからです。 先生の書かれた「英語スピードライティング教本」は現在では手に入りにくくなっています。それに、タイトルがライティングとなっていますので、知る人ぞ知る名著になっています。そこで、先生にもう一度CD付きスピードリーディング教本を書いていただきたいのです。最高速で音読することを強調したタイトルが良いと思います。英語を勉強しようとする人なら、受験生であろうと社会人であろうと、

誰でも一度は手にする本に必ずなると私は思います。

ぶしつけなお願いで誠に失礼とは思いますが、どうぞよろしくご検討下さいますようお願いします。余計なこととは思いますが、私の学習記録帳ファイルを添付します。(2014318日)

敬具

名古屋市熱田区・・・

                                  N. K.